皆さんこんにちは。
ブランド品の買取バイヤー歴13年の一児の母です。
ブランド品の買取金額に不満を持っているのは私だけ?
と思っていらっしゃる方!
安心してください、私も正直不満だらけだったので分かります。
「だってだって凄く高かったから!!」と言うのが本音です。
恐らく心の中でうなずいた方がいらっしゃるのではないでしょうか。
□安く買取されて損するのは嫌。
□定価や価値を分かっていない。
□他のお店に出したら買取金額が全然違った。
など、心の不満をあげたら切りがありませんよね。
これは全てお客様が心の中で思っている不満と不安。
しかし、ブランド品の買取金額に不満を持っているのはあなただけではありません。
では、何が不満なのか?
そこで私は、今までの買取業務の経験やプライベートでの経験も含めて考えてみることにしました。
まず、先ほどもお話ししましたが、買取金額が違うという不満です。
これは不満を通り越して、もはや不信感でしかありません。
私は、この会社が設立した当初から在籍していて、主にブランド品のバッグを中心に買取と販売を担当をしてきました。
当時は店舗の管理と育成を任されていたのですが、何よりも最優先するべき事である買取金額の謎に迫るべく、現場で徹底的な分析を始めます。
分析と言ってもコンピューターの解析のような事ではありません。
お客様の話しを徹底的に聞く。
これだけです。
私がお客様の生の声を徹底的に聞くと言う行動を行う中で、最も耳を傾けたポイントを3つご紹介します。
① 売りに来た理由又は、売りに出そうと思われたきっかけ。
② 買う時に何故それを選んだのか又は選んだ理由。
③ 次は何が欲しいのか。
この3つがとても重要です。
事務的にお伺いするようでは、お客様は心の声を教えてくれません。
何気ない日常的な会話を取り入れながら、お話しを聞かせて貰えるように集中します。
何よりも「知りたい」と思う姿勢を、お客様に素直に伝えることです。
お客様はブランド品が大好きですし、非常に詳しい方が多いという事。
初対面でも割と話しやすいのではと試行錯誤をし、女性が好きな思い出話しというので、お客様から情報を取り入れました。
私流の思い出分析は、いつしか部下にも伝染し、会話はお店いっぱいに花を咲かせるようになっていきました。
思い出話しをお伺いすることで、①売りに来た理由ときっかけ ②何故そのバッグを選んだのか ③次のお目当ての物が全て伺えるという、一石三鳥の方法です。
お客様は神様。
なんて言ったら
「心にも無い事を言って…」
と思われるかもしれません。
しかし、私は紛れもなくお客様から沢山のチャンスとヒントを頂きました。
不満はクレームではありません。
責任者と言う立場であった事もあり、「あなたが責任者だから言ってるのよ~」と沢山の事を教えて頂きました。
お客様の不満は、私自身の不満であり、その不満は必ず解決できることだと言う貴重な事を学ばせていただいたのです。
不満という謎を解決することが、次第に自分の使命感であるとさえ感じていました。
お客様のお話しを全力で聞く。
その結果
◯販売の時に接客にも生かせるヒントが沢山あることに気が付づけた。
◯買取に出されるバッグのブランド、デザインでどんな方が好むバッグなのかが分かるようになる。
お客様の好みを知ることで、仕入れ、買付けの参考になる。
◯売りに出す理由が分かるようになったお陰で、セールストークではなく、買取を利用してもらう自然なトークでお客様にアプローチが出来るようになった。
下積み時代には、買取に関しての様々な不満や疑問を解決するために、自分の持っているブランド品のバッグを持って、買取の査定に持ち込むと言う休日を過ごしていました。
買取金額の謎に毎日悩まされる日々。
このままでは、もっと納得がいかなし、何よりもお客様に説明が出来ない!!
私はモヤモヤした謎をどうしても解決したくて、夢中でお店を巡りました。
そんなある日の休日のとこ。
※決して残業ではありませんよ。お休みは私のプライベートな時間なので、大好きなブランド品のお店巡りをしていただけということでお読みくださいね♡
いつものように買取査定に出かけた時のこと。
「私が買取させていただけるならばこれくらいの金額だなぁ」
と言う買取の予測金額のメモを握りしめてお店に入ります。
査定している様子や、バッグのどの部分を見ているのかなども観察します。
プライベートの時間は、ほとんどの時間をブランド品の買取の謎解きに費やしました。
いよいよ査定結果が出ました。
「全部で94,000円ねぇ。」
と年配のおじさん。
ルイ・ヴィトンの長財布が1,000円。
【私の買取金額:3,000円
ルイ・ヴィトンのスピーディーが3,000円
【私の買取金額:5,000円】
エルメスのガーデンパーティーMMが90,000円
【私の買取金額:120,000万円】
合計金額にすると、34,000円もの差額でした。
ショックで言葉を失いましたよね。
うちのお店を利用してくださるお客様には、絶対にこんな思いはさせない!と不満と怒りが込み上げてきたことも鮮明に記憶しています。
「ちょっと言い過ぎなんじゃない?」
と思われた方もいらっしゃると思いますが、これは私が自分の足で実際に行って経験したことなので本当です。
山ほどありましたよ。
しかし、買取金額が違うという不満は、不信な事ではない事実が、その後分かるようになります。
買取金額を決めるのは品物自体の価値
当時は、インターネット販売(通販)が当たり前の時代ではありませんでした。
買取した品物をお客様へ販売するというシンプルな運営でした。
「偽物」という不安からか、中古のブランド品がポンポン売れる時代ではなかったからでもあります。
当然、売れない物は在庫となり滞留してしまう訳です。
質屋さんとブランドリサイクルの違い
「質流れ」という言葉を聞いた事があると思いますが、質流れとは、簡単に質屋に借りたお金を返済しないまま、期限が切れてしまった品物が質屋の所有権となり、それを販売することです。
高級ブランド品を担保にお金を借りる事が出来る質屋さんでは、担保に入っている品物がいくらで売れるのかを予測してお金を貸します。
万が一返済が無かった場合は、その品物を売って現金を回収する仕組みだからです。
貸せる金額はそれぞれ金額が設定されており、その設定(現在では相場とも言います)の通りに買取しなければ、お店がマイナス(赤字)になってしまうという理屈です。
簡単に言ってしまうと、質屋さんの買取金額とブランドリサイクルの買取金額とでは、そもそも比較する基準も仕組みも違っていた。
買取に持ち込まれる品物も全く違うと言う事が分かりました。
ブランドリサイクル業界は、主に質屋さんの基準を取り込んでいる会社も多かったので、お客様は買取金額の違いに混乱してしまうのも無理がありません。
我々の会社のように、ファッション性やトレンドを重視するブランドリサイクル業界とは違う訳です。
品物その物の価値(現金にした場合)を評価した上で買取金額を出すと言うのが質屋さんの買取の金額ってことだったんですね。
一般の人からすれば、質屋さんでもブランドリサイクルショップでもどっちでもいい話。
要するに、「何で?」が分からなかった事で、お客様にも説明が不十分になってしまい不安を感じさせしまっていたのだと理解し、自分なりに解決することが出来たのです。
仕組みの違いを知ったことで自社の強みを知る
仕組みと違いを知った事で、我々が強みとしているファッション性の強いブランド品は高く買取が出来る。
私達なら高く買取が出来る!!
という事を、新聞折り込みで広告したのです。
これが反響を呼び、今でも利用してくださっている長い付き合いのお客様がいらっしゃいます。
我々が、ブランド品の買取と販売を自社で行うという運営スタイルを変えないのは、売りたい方と買いたい方の両方を両立できるからなのです。
私が経験してきたブランド品の買取金額への不満とそれを解決するまとめ
「それぞれの会社の仕組みや体制を知ることが大事で、何が得意分野なのか。バッグなのか宝石なのか…。苦手な分野は何か。腕時計なのか洋服なのかをしっかりとリサーチすることです。そして特化した分野を扱っているお店を利用するということ」
私は、自身の仕事で学んだ事を日常的にも実践しています。
その経験が今となればお客様と自分は同じ。目線ではなく視線を変える。と言う仕事の仕方が習得できたのだと思います。
だから、仕事でもプライベートでも、私の利用するお店はみんな『かかりつけ店』ばかり。
自分自身がお店をしっかりと選ぶと言うことが必要なのです。
ですから決して価値も分からず買取金額を出していた訳でもなく、質屋という仕組みの中での正当な買取金額を提示していたと言う事だったのです。
ブランドリサイクル業界の急成長
2009年前後には、ブランドリサイクル業界が世間にも認知され、急激な成長を遂げます。
様々な企業がブランドリサイクル業界に進出する中、下積みを積んだ我々ブランド楽市は、ライバル企業に負けることなく、しっかりと根を張り、現在まで運営を維持して参りました。
どんな危機に直面しても、必ず必要なのはお客様の視線と私の視線は同じである。
という事を絶対に忘れない事。
私は、自分の大切にしてきたバッグ、自分が選んだ好きな車、頑張って貯めて買ったバーキン。
自分が納得できないお店では、絶対に売りません。
何よりも気持ちを買ってくれる「人」・「店」で納得して売りたい。
納得して買いたいからです。
もし、あなたがブランド品を売るなら、どんなお店で、どんな経験をしてきた人に売りたいですか?
今度は、あなた自身が自分でお店選びをする番です。
自分が納得出来るお店で、納得出来る人に、大切にしていた物を買ってもらおう♪